AIに任せる仕事と、自分でやる仕事の線引き
AIに任せるかどうかは、間違っていたときに誰がどれくらい困るかで決めると、判断がぶれにくくなります。
「AIが得意そうかどうか」で決めようとすると、毎回考え込むことになります。得意・不得意は使うサービスや内容で変わるからです。それよりも、失敗したときの影響で線を引いたほうが、あとから見直すのも簡単です。
この記事では、任せやすい仕事の共通点、自分の手元に残したほうがよい仕事、そしてその中間の使いかたを整理します。
任せやすいのは「やり直しがきく仕事」
まず、間違いに気づきやすくて、気づいたら直せるものは任せやすい種類です。
- 文章の下書き、言い回しの候補出し、タイトル案を複数出す
- 長い文章や議事録の要約(読む前の見当をつける用途)
- 表記ゆれの統一、箇条書きへの整形、フォーマットの変換
- 「この案の弱いところは何か」といった、考えを広げるための壁打ち
共通しているのは、出てきたものを自分が読んで判断する前提になっているという点です。おかしければ捨てればよく、捨てても損害はほとんどありません。
特に、ゼロから書き始めるのがつらい作業とは相性がよいところです。白紙よりも、直す対象があるほうが手が動きやすい人は多いはずです。
手元に残したいのは「判断」と「責任」
一方で、次のようなものは自分でやったほうがよい部類に入ります。
- 相手に送る前の最終確認(メール、見積もり、提出物)
- 事実として使う数字、日付、固有名詞の確認
- 人の評価や、お金・契約に関わる判断
- 自分の考えとして表明する意見、謝罪や説明の文面
理由は単純で、外に出た結果の責任はAIではなく自分が負うからです。AIは間違っていても自信のある口調で答えることがあり、口調からは誤りを見分けられません。このあたりはAIが書いた文章をそのまま使わないほうがいい理由でも触れています。
また、社外に出せない情報を扱う仕事も、入力する前に立ち止まる場面です。何を入れてよいかの整理は仕事でAIを使うときに気をつけたい情報の扱いかたにまとめています。
実際には「途中まで任せる」が一番多い
全部任せるか、全部自分でやるか、の二択で考えると窮屈になります。実際には途中で受け渡すやりかたが現実的です。
たとえば、たたき台をAIに出してもらい、構成だけ自分で組み直す。自分が書いた文章をAIに読ませて、抜けている観点を挙げてもらう。調べものの入口だけ任せて、事実確認は自分で行う。どれも、AIが作業の一部を担って、判断は自分に残っている形です。
調べものについての向き・不向きはAIを「調べもの」に使うときの向き・不向きで詳しく書いています。
線引きは、一度決めて終わりにしない
最初から完璧な線引きを作る必要はありません。使ってみて、うまくいかなかったところを都度ずらしていくほうが早く身につきます。
判断に迷ったときは、次の3つを自分に聞いてみると整理しやすくなります。
- これが間違っていたら、誰がどれくらい困るか
- 間違っていたとして、自分は気づけるか
- 気づいたあとに、直せるか
3つとも「大丈夫」なら任せてよい仕事、どれか一つでも引っかかるなら自分の目を通す仕事、という分けかたです。慣れてくると、いちいち考えなくても手が止まるようになります。
まとめ
- 「得意そうか」ではなく「間違ったときに誰が困るか」で線を引く
- やり直しがきく作業(下書き・要約・整形・壁打ち)は任せやすい
- 判断・責任・事実確認・外に出す前の最終チェックは自分に残す
- 全部か無かではなく、途中まで任せて判断を引き取る形が現実的
- 線引きは使いながら調整していくもので、一度で決めなくてよい
デジタルラボ金沢では、こうした「どこまで任せるか」を、実際に手を動かしながら一緒に探っています。初心者からOKで、一人一人が主役という考えかたでワークショップや勉強会を開いているので、気になった方はお問い合わせからどうぞ。