「作りたいもの」から逆算する学習の進めかた
学習が進む人と止まる人の差は、才能よりも先に「完成形」を決めているかどうかにあることが多いようです。教材を1ページ目から順にこなすやりかたは、全部やり終えるまで手応えが出ません。反対に、作りたいものを1つ決めてから逆算すると、覚えるべきことが自然に絞られます。
とはいえ「作りたいものを決めましょう」と言われても、それが一番むずかしい、という声もよく聞きます。この記事では、逆算で学ぶときの具体的な決めかたと、途中で詰まったときの戻りかたを整理します。
「作りたいもの」は小さくていい
逆算がうまくいかない一番の原因は、目標が大きすぎることです。「SNSみたいなアプリ」「予約システム」あたりを最初の目標に置くと、必要な要素が多すぎて、どこから手をつけるか決められません。
目安として、次の条件を満たすものから始めると進みやすくなります。
- 完成の形が自分の頭の中で絵として浮かぶ
- 誰か1人にでも見せる相手が思い浮かぶ
- 数日〜2週間くらいで一度「できた」と言える大きさ
たとえば「自己紹介のページを1枚」「持っている本を並べたページ」「家族に送るイベントの案内ページ」。地味に見えますが、1枚を最後まで作ると、文字を置く・色を決める・公開するという一連の流れが全部通ります。この「一周した」という感覚が次を支えます。
作りたいものが決まると、使う道具も自然に絞られます。何から始めるかで迷っている段階の方はプログラミング言語は何から始めるか。目的から選ぶ考えかたを先に読むと、選ぶ基準がはっきりするはずです。
完成形を「必要な部品」に割る
作るものが決まったら、次にやるのは分解です。完成した画面を思い浮かべて、そこに何が並んでいるかを書き出します。
自己紹介ページなら、たとえばこうなります。
- 名前と肩書きが出ている
- 写真が1枚ある
- 自己紹介の文章がある
- SNSへのリンクがある
- スマホで見ても崩れない
ここまで割ると、調べるべき言葉が見えてきます。「写真を置きたい」なら画像の入れかた、「リンクを付けたい」ならリンクの書きかた、という具合です。教材の目次ではなく、自分の部品リストが検索キーワードになるのが逆算の効きどころです。
Web制作の場合、どこまでがHTMLとCSSの担当で、どこからが別の仕組みなのかがわかっていると、この分解が速くなります。その線引きはHTMLとCSSで何ができるのか、最初の全体像にまとめてあります。
「今回はやらないこと」を先に決める
逆算で学ぶときに効くのが、作らない部分を最初に決めておくことです。
作っている途中には、必ず「ついでにこれも」が出てきます。アニメーションを付けたい、問い合わせフォームも置きたい、ダークモードにも対応したい——どれも悪くない発想ですが、全部拾うと完成が遠のきます。
思いついたものは消さずに、別のメモに「次にやること」として書き出しておく。今回のバージョンに入れるのは、最初に決めた部品リストだけ。この線引きをしておくと、完成の判断が自分でできるようになります。
そして一度完成させたら、メモに溜めた「次にやること」から1つ選んで、2回目を作ります。同じものを作り直すのは無駄に見えて、実は2回目のほうが理解が深く残ります。
詰まったときは「部品」に戻る
逆算で進んでいると、どうしても知識が足りない場面が来ます。ここで教材の1ページ目に戻ると、また元の「終わりが見えない」状態に逆戻りしてしまいます。
代わりに、詰まっている部品だけを取り出して、それ単体を試す小さなファイルを別に作ってみる方法があります。ページ全体の中で試すと、うまくいかない原因がどこにあるのかわかりにくくなります。まっさらな状態でその部品だけを動かしてみると、原因が絞られます。
それでも解けないときは、そこで何時間も粘らず、いったん置いて別の部品に移るか、人に聞くのが早いことが多いです。独学が止まる仕組みそのものについては独学が続かない本当の理由と、続ける仕組みの作りかたでも触れました。
まとめ
- 目標は「数日〜2週間で一度できたと言える」大きさに小さく切る
- 完成形を部品に割ると、それがそのまま調べる言葉になる
- 「今回はやらないこと」を先に決めて、思いつきは次回用のメモへ逃がす
- 詰まったら教材の頭に戻らず、その部品だけを別ファイルで試す
逆算で進めると、覚えた量ではなく作ったものが手元に残ります。ただ、部品に割る段階や「これで合っているのか」の確認は、誰かと一緒だと一気に進むところでもあります。デジタルラボ金沢では初心者からOK・一人一人が主役という考えかたでワークショップや勉強会を開いていますので、作りたいものを持ち寄って話せる場を探している方はお問い合わせからどうぞ。