ノーコードとコーディング、どちらを選ぶかの判断軸

先に結論から書くと、ノーコードとコーディングは優劣で選ぶものではなく、作りたいものと、それをどれくらいの期間使うかで決まります。短い期間で形にして反応を見たいならノーコード、長く育てていくものや細かい要求があるものならコーディング。おおまかにはこの線引きで足ります。

ノーコードとは、コードを書かずに画面上の操作でWebサイトやアプリを作れるツールのことです。ここ数年で選択肢が増え、「もうコードは学ばなくていいのでは」という話もよく聞くようになりました。ただ実際に両方を使ってみると、置き換わるというより向いている場所が違う、という感覚のほうが近いと感じます。

判断を分ける4つの軸

迷ったときは、次の4つを自分の状況にあてはめてみると整理しやすくなります。

  • 公開までの速さ:早く出したいほどノーコード寄り。作りながら考えたい段階とも相性がいい
  • 見た目や動きの細かさ:ツールが用意した枠の中で足りるならノーコード。1ピクセル単位や独自の動きが要るならコーディング
  • 使う期間:数週間から数か月ならノーコード。数年単位で手を入れ続けるならコーディングを検討する価値が出る
  • 中身の持ち出しやすさ:将来ほかの場所へ移す可能性があるなら、データをどう取り出せるかを先に確かめておく

4つ目は最初は気にしにくいのですが、あとから効いてきます。写真や記事のような蓄積するデータほど、移すときの手間が大きくなるためです。書き出し機能があるか、どんな形式で出せるかは、作りはじめる前に一度見ておくと安心です。

なお、料金や機能はツールごとに違い、変わることもあります。比べるときは掲載時点の情報ではなく、公式ページで自分の目で確かめるのが確実です。

ノーコードが向いている場面

いちばん力を発揮するのは、まだ正解が見えていないときです。

イベントの告知ページ、個人のポートフォリオ、お店の小さな紹介サイト。こうしたものは、作ることより「出して反応を見ること」のほうが目的に近いはずです。この段階でコーディングから始めると、公開までの距離が長くなり、そもそも公開されないまま終わってしまうことがあります。

もうひとつ、自分で更新し続けたい場合にも向いています。管理画面から文章や写真を差し替えられる形にしておけば、更新のたびに誰かに頼まなくてよくなります。運用まで含めた楽さは、見落とされがちですが大きな差になります。

コーディングを選ぶ理由が出てくるとき

一方で、次のような場面ではコーディング側の理由が強くなります。

ひとつは、ツールの想定から外れた要求が増えてきたとき。「ここだけ違う動きにしたい」が積み重なると、回避策を探す時間のほうが長くなり、かえって遠回りになることがあります。

もうひとつは、長く手を入れ続けるものを作るとき。数年単位で改修していく前提なら、中身を自分で把握できる状態のほうが動きやすくなります。仕組みを理解しておくと、ノーコードを使う場面でも「なぜこの設定が要るのか」がわかり、詰まりにくくなるという副次的な効果もあります。

学ぶ順番に迷うなら、HTMLとCSSで何ができるのか、最初の全体像から入ると、ノーコードツールの画面に出てくる用語もかなり読めるようになります。言語そのものの選びかたはプログラミング言語は何から始めるか。目的から選ぶ考えかたにまとめました。

二択で悩まず、小さく試して決める

現実には、片方だけを選ぶ必要はあまりありません。よくあるのは、まずノーコードで公開して反応を見て、続けると決めたところだけ作り直していく進めかたです。この順番なら、要らなかったかもしれないものに時間をかけずに済みます。

決められないときは、どちらでもいいのでいちばん小さい形をひとつ公開してみるほうが早いことが多いです。1ページでも、実際に人に見せられる状態まで持っていくと、次に足りないものが具体的に見えてきます。目的から逆算する進めかたは「作りたいもの」から逆算する学習の進めかたでも触れています。

まとめ

  • 優劣ではなく、作るものと使う期間で選ぶ
  • 速さ・細かさ・期間・持ち出しやすさの4つで整理する
  • 正解が見えていない段階、自分で更新したい場合はノーコードが向く
  • 想定外の要求が増えたとき、長く育てるものはコーディング側の理由が強くなる
  • 迷ったら、いちばん小さい形をひとつ公開して判断材料を作る

どちらを選ぶかは、人に話しながら整理すると早く決まることもあります。デジタルラボ金沢では初心者からOK・一人一人が主役という考えかたでワークショップや勉強会を開いていますので、気になった方はお問い合わせからどうぞ。

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