「読書会に興味はあるけれど、行ったことがない」という声をときどき聞きます。感想を上手に言えないと気まずいのでは、課題の本を読み終えていないと参加できないのでは——そのあたりが不安の中身だと思います。
実際のところ、読書会は形式によってやることがまったく違います。しゃべるのが中心の会もあれば、集まってひたすら黙って読むだけの会もある。行ってみないと分からない部分が多いので、代表的な型を先に知っておくと選びやすくなります。
読書会には、いくつかの型がある
課題本型
1冊を決めて、全員がそれを読んできて話す形式。いちばん「読書会」と聞いて想像されるものだと思います。同じ本を読んでいるので話が深いところまで進みやすい反面、読み終えていないと参加しづらいという性質もあります。アムでも過去に、『華岡青州の妻』を1冊まるごと扱う会を開いたことがあります。
持ち寄り型
各自が好きな本を持ってきて紹介し合う形式。事前の読書が不要で、そのぶん気軽です。人の本棚を覗くような楽しさがあって、まったく知らないジャンルの本と出会えます。アムの「アムでヨム!読書会」は、参加する人が自分の”推し本”を持ってくる形をとっています。
黙読型(サイレント・ブッククラブ)
集まったあと、ただ黙って本を読む形式です。2012年にサンフランシスコで、Guinevere de la Mare と Laura Gluhanich の2人が近所のワインバーで一緒に読み始めたのが始まりとされています。課題本はなし。飲みものを頼み、今読んでいる本を軽く紹介し合ってから、1時間ほど黙って読む。読み終わったあとは話してもいいし、話さなくてもいい——というのが基本の形です。
「本は読みたいけれど、宿題にはしたくない」という発想から生まれたもので、今では60を超える国に2,000以上のグループがあるそうです。アムの「積読消化会」も、積んだままの本を持ってきて消化する会という点で、この型に近い性格をしています。
ビブリオバトル
持ち寄り型に競技のルールを足したものです。2007年に京都大学大学院情報学研究科の谷口忠大さんが考案しました。ルールはシンプルで、1人5分で本を紹介し、その発表ごとに2〜3分のディスカッションを挟む。全員の発表が終わったら「どの本が一番読みたくなったか」を基準に1人1票で投票し、最多票の本が「チャンプ本」になります。
本の優劣ではなく「読みたくなったか」で投票するところがよくできていて、紹介がうまくいくと自分の持ってきた本が一気に読まれます。
準備するものは、思っているより少ない
持ち寄り型・黙読型なら、必要なのは本1冊です。読みかけでも、まだ1ページも開いていない本でも問題ありません。
課題本型で少しだけ助けになるのが、気になった箇所に付箋を貼っておくことです。感想をまとめてこなくても、「ここが引っかかった」という場所さえ手元にあれば話は始まります。逆に、立派な感想を用意していく必要はほとんどありません。
それから、聞いているだけでも成立します。ほとんどの読書会は発言の順番を強制しませんし、人の話を聞いて「その本を読みたくなった」で終わる回があってもかまいません。
ひとりで来ている人が多い
読書会は、友人同士で来る場というより、ひとりで来た人がたまたま同じ本の話をする場です。アムでもこれまで読書会や積読消化会を開いてきましたが、おひとりでの参加がほとんどでした。
本の感想は、読んだ直後に誰かへ話すのと、ひとりで抱えたままにするのとで、残り方がかなり変わります。読書会がやっていることは、突きつめるとその一点だけです。うまく話せるかどうかは、たぶんあまり関係がありません。
アムは金沢市東山にある、ミニ図書館とコワーキングスペースとギャラリーが同居している小さなスペースです。読書会の開催予定は Instagram(@amu_kanazawa)でお知らせしています。
関連リンク
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