浅野川の七つ橋渡り|7つの橋の名前と順番、彼岸の中日のきまりごと
浅野川に架かる橋のうち、七つには名前と順番が決まっています。上流から常盤橋・天神橋・梅ノ橋・浅野川大橋・中の橋・小橋・昌永橋。この七つを彼岸の中日の深夜に無言で渡りきる「七つ橋渡り」という風習が、金沢には今も残っています。
結論:上流の常盤橋から下流の昌永橋へ、一筆書きで渡る
- 七つの橋は上流から順に、常盤橋・天神橋・梅ノ橋・浅野川大橋・中の橋・小橋・昌永橋
- 渡るのは春と秋の彼岸の中日。午前0時をまわってから、夜明け前までに渡り終える
- 渡り終えるまで無言。同じ橋を通らず、戻らず、振り返らない
- 2026年の秋の彼岸の中日は9月23日(水・秋分の日)
- 深夜に歩かなくても橋そのものは昼間に全部見られます。歩くだけなら40分ほど
七つの橋 — 上流から順に
| # | 橋の名前 | 見どころ・特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 常盤橋(ときわばし) | 七つのうちいちばん上流。ここが出発点になります |
| 2 | 天神橋(てんじんばし) | 卯辰山の玄関口にあたるアーチ型の橋。橋場町バス停から徒歩8分 |
| 3 | 梅ノ橋(うめのはし) | 木造風の歩行者専用の橋。泉鏡花『義血侠血』のヒロイン瀧の白糸像が建ち、夜はライトアップされます |
| 4 | 浅野川大橋(あさのがわおおはし) | 1922(大正11)年建設、橋長55m・幅員17mの鉄筋コンクリート造3連充腹アーチ橋。2000(平成12)年12月4日に国の登録有形文化財に登録されました |
| 5 | 中の橋(なかのはし) | 泉鏡花『化鳥』『照葉狂言』の舞台。渡るごとに一文を払ったことから、「一文橋」という別名があります |
| 6 | 小橋(こばし) | 六つめ。ここまで来ると、観光の動線からは外れた川沿いになります |
| 7 | 昌永橋(しょうえいばし) | 七つのうちいちばん下流。ここが終点です |
浅野川にはほかに彦三大橋も架かっていますが、比較的新しい橋のため七つには数えません。
四つめの浅野川大橋と五つめの中の橋にはさまれた左岸が主計町茶屋街、三つめの梅ノ橋から浅野川大橋にかけての右岸がひがし茶屋街側です。七つ橋渡りのコースは、二つの茶屋街のあいだを通り抜けていくことになります。
「七つ橋渡り」のきまりごと
浅野川界隈に古くから伝わる風習で、無病息災を願って歩きます。伝えられているきまりは次のとおりです。
- 春分・秋分の彼岸の中日、午前0時以降に歩きはじめ、夜明け前までに渡り終える
- 七つの橋を渡り終えるまで無言で歩く
- 同じ橋を通らず、戻ったり振り返ったりしない(上流から下流へ一筆書きに進む)
- 新しい白い下着を着けて歩き、その下着は7日間毎日洗ってから和紙に包み、水引をかけてたんすにしまう
- 数珠を携帯し、各橋の始めと終わりに合掌して礼をする
2023年秋分の未明には約40人が参加し、40分ほどで渡り終えたと報じられています。ひとりで黙々と歩く行事ではなく、地元の人が連れ立って歩く光景になっているのが今の姿です。
2026年の彼岸の中日は9月23日
国立天文台の暦要項によると、2026年の秋分は9月23日9時05分。秋分の日(9月23日)が彼岸の中日にあたります。歩くのは中日の午前0時以降なので、日付でいえば9月22日の夜、23日に変わった直後から夜明けまでが対象の時間帯です。
しかも2026年は、敬老の日(9月21日)と秋分の日(9月23日)にはさまれた9月22日が祝日法の規定で休日となり、9月20日(日)から23日(水)までの4連休になります。9月にこの規定が適用されるのは11年ぶりです。旅行の日程に重ねやすい年にあたります。
昼間に歩く「七つ橋めぐり」として
深夜に無言で歩くのはハードルが高い、という人が大半だと思います。橋そのものは24時間だれでも渡れるので、昼間に上流から下流へ順番に歩くだけでも、浅野川という川の形がよくわかります。
- 起点の常盤橋へは、橋場町バス停から浅野川を上流へ。途中の天神橋までが徒歩約8分、常盤橋はそのさらに上流です
- そこから下流へ折り返し、梅ノ橋 → 浅野川大橋 → 中の橋 → 小橋 → 昌永橋 と渡っていきます
- 橋の通行はすべて無料。お金がかかるのは寄り道した先だけです
- 終点の昌永橋から金沢駅方面へ抜けられるので、帰り道に組み込みやすいコースでもあります
途中の見どころは浅野川の文学散歩にまとめています。春に歩くなら梅ノ橋・浅野川大橋周辺の桜、冬なら冬のひがし茶屋街もあわせてどうぞ。
よくある質問
誰でも参加できますか?
主催者に申し込むタイプの行事ではなく、個人が自分の願掛けとして歩く風習です。年によっては地元の団体が歩く会を企画することもあります。深夜の住宅地を通るので、話し声や足音には配慮してください(そもそも無言で歩くきまりです)。
橋の順番を逆にしてもいい?
伝えられているのは上流の常盤橋から下流の昌永橋へという向きです。戻ったり振り返ったりしないのがきまりなので、逆走はしません。
車で回れますか?
七つ橋渡りは歩く風習です。昼間に橋を見て回るだけなら車でも動けますが、川沿いは道幅が狭く一方通行も多いエリアです。駐車場はひがし茶屋街の駐車場の記事にまとめました。
雨でも歩きますか?
地元の団体が企画する歩く会は、雨天決行で告知されてきました。ただし川沿いの遊歩道や坂は濡れると滑ります。着物で歩く場合の注意は着物レンタルの記事に書いたとおりです。
兼六園のほうから来る場合は?
周遊バスで「橋場町」下車が便利です。兼六園からの行き方にまとめています。
※日付・橋の諸元・文化財の登録内容は 2026年8月29日時点で、以下の情報で確認したものです。訪問前に最新情報をご確認ください。
- 国立天文台暦計算室「令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節」(秋分=9月23日9時05分)
- 日本経済新聞「2026年9月に4連休、祝日法適用で11年ぶり 国立天文台」(9月20日〜23日の4連休)
- 北陸中日新聞「彼岸の奇習 七つ橋渡り 浅野川 住民ら息災願い」(2023年9月24日)(きまりごと・所要時間・彦三大橋を数えない理由)
- 金沢市 いいね金沢「七つ橋渡り(ワークライフバランス北陸)」(浅野川界隈に古くから伝わる風習・深夜0時スタート)
- ほっと石川旅ねっと「浅野川大橋」 / 「天神橋」
- 金沢市 国登録文化財一覧 / 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所「浅野川大橋」
- 金沢市観光協会 金沢旅物語「梅ノ橋」 / 「中の橋」 / 「浅野川」
主計町の街全体は主計町茶屋街のページ、三つの茶屋街の違いは三茶屋街の記事、街全体の歩き方は完全ガイドへ。