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  3. 金沢三茶屋街の違いを比較|ひがし・にし・主計町どこへ行くべき?

観光 / 公開: 2026年8月23日

金沢三茶屋街の違いを比較|ひがし・にし・主計町どこへ行くべき?

金沢には「ひがし」「にし」「主計町(かずえまち)」の3つの茶屋街があります。「全部回るべき?」「1つだけならどこ?」という質問に、東山のブックカフェ編集部の店から答えます。

先に結論を書くと、3つは同格ではありません。開かれた年も、国の保存地区に選ばれているかどうかも、観光協会が示す所要時間の目安も違います。並べて比べると、選び方はかなりはっきりします。

結論:ひがし+主計町は同じ川沿い、にしだけ別行動

三茶屋街 比較表

公的資料で確認できる項目だけを並べました。数字の出典は記事末尾にまとめてあります。

ひがし茶屋街主計町茶屋街にし茶屋街
場所東山(浅野川の右岸)浅野川の左岸野町(犀川の南)
開かれた年1820年(文政3年)加賀藩の公許明治期に成立1820年(文政3年)加賀藩の公許
国の重要伝統的建造物群保存地区「東山ひがし」2001年11月14日「主計町」2008年6月9日選定なし
保存地区の面積1.8ヘクタール0.6ヘクタール
観光協会の所要時間の目安60分(詳しく歩くなら2時間)60分30分
最寄りのバス停「橋場町」徒歩約5分「橋場町」徒歩約5分「広小路」徒歩約3分
城下まち金沢周遊バス右回りが停まる右回りが停まる左回りのみ
お茶屋の軒数(金沢おどり公式の掲載)4軒4軒5軒
主な見どころお茶屋見学・金箔・食べ歩き暗がり坂・あかり坂・泉鏡花記念館西茶屋資料館(無料)・甘納豆・妙立寺

表で目を引くのは、たぶん下の2行です。営業しているお茶屋の軒数だけを見ると、いちばん多いのはにし茶屋街(金沢おどり公式サイトの掲載で5軒)。観光地として最大なのはひがしですが、花街としての現役度は数字の上では逆転します。

もうひとつは保存地区の行です。金沢市には4つの伝統的建造物群保存地区がありますが、にし茶屋街のある野町2丁目は、そのどれにも入っていません。犀川の南側は「寺町台伝統的建造物群保存地区」(約22.0ヘクタール、2012年12月28日選定)ですが、区域は野町1丁目・3丁目、弥生1丁目、寺町3〜5丁目の各一部で、野町2丁目は含まれていません。街並みの保存という物差しで見ると、ひがし・主計町とにしは立場が違います。

ひがし茶屋街:1つだけ選ぶならここ

金沢市観光協会は、ひがし茶屋街の所要時間を約60分(定番コース)、詳しく散策するなら2時間程度としています。三茶屋街のなかで唯一、「2時間かけてもいい」と案内されている街です。

1820年に加賀藩の公許で開かれ、2001年11月14日に「東山ひがし」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。保存地区の面積は約1.8ヘクタールで、これは主計町の3倍です。

やることも三茶屋街で最も多く、志摩と懐華樓のお茶屋見学金箔貼り体験お土産の買い出し着物レンタルが徒歩圏に揃っています。初めての金沢で茶屋街に1回しか行けないなら、迷わずここです。

行き方はひがし茶屋街への行き方に、車で来る場合は駐車場の記事にまとめてあります。街の成り立ちはひがし茶屋街の歴史へ。

主計町茶屋街:ひがしとセットで歩く街

浅野川を渡ってすぐ、徒歩約5分の距離にあります。金沢市観光協会は主計町へのアクセスを、ひがしと同じ「橋場町」バス停から徒歩約5分としています。同じバス停が2つの茶屋街の中間点になっている、という位置関係です。

ひがしと決定的に違うのは成り立ちと川です。ひがしが江戸期に藩の公許で開かれたのに対し、主計町は明治期に成立しました。国の保存地区に選ばれたのも2008年6月9日と、ひがしより7年遅い。そして浅野川に面して三階建ての建物が並ぶのは、金沢の茶屋街では主計町だけの景色です。

見どころは暗がり坂あかり坂という2本の細い坂、そして泉鏡花記念館(一般310円・火曜休)。街歩き自体は無料です。

歩き方は主計町茶屋街とひがし茶屋街を合わせて巡る1時間コースに、街の概要は主計町茶屋街のページにまとめています。

にし茶屋街:静けさと甘味、そして忍者寺

夜のにし茶屋街。街灯に照らされた出格子の茶屋建築が並ぶ通り

犀川大橋の南、野町にあります。ひがし茶屋街と同じ1820年(文政3年)に加賀藩の公許で開かれた茶屋街で、出格子の美しい二階建ての茶屋建築に老舗割烹が軒を並べます。金沢市観光協会は、夕暮れ時に着飾った芸妓が街を歩き、三味線の音が流れる街として紹介しています。

ただし通りは短い。観光協会が示す所要時間の目安は約30分で、ひがしや主計町の半分です。「にし茶屋街だけを目的に行く」と、街並みを見終わってから手持ち無沙汰になりがちです。周辺とセットで組むのが前提の街だと考えてください。

西茶屋資料館 — 無料でお茶屋の座敷が見られる

にし茶屋街に建つ西茶屋資料館の外観。二階建ての茶屋建築

にし茶屋街の中心にある市の施設です。大正期の作家・島田清次郎が幼少期を過ごしたお茶屋「吉米楼(よしよねろう)」の跡地に建てられており、1階に島田の関係資料、2階に当時のお茶屋の座敷が再現されています。

項目内容
入館料無料
開館時間9:30〜17:00
休館日無休
住所金沢市野町2-25-18
電話076-247-8110
アクセス「広小路」バス停から徒歩約3分 / 金沢ふらっとバス長町ルート「にし茶屋街」バス停から徒歩約2分
所要時間の目安約30分

無料でお茶屋建築の座敷に上がれるのは、金沢の三茶屋街ではここだけです。ひがしの志摩・懐華樓は有料なので、「お茶屋の中を見たいが予算は抑えたい」という人には、にしまで足を延ばす理由になります。

甘納豆かわむら

にし茶屋街で名前が挙がることの多い甘納豆の専門店です。2階に喫茶「サロン・ド・テ・カワムラ」を併設しています。

本店2階 サロン・ド・テ
営業時間平日 9:30〜18:00 / 日祝 9:00〜17:00平日 10:00〜17:00(閉店17:30) / 日祝 10:00〜16:00(閉店16:30)
定休日第1火曜日(1月・5月・12月は営業)、12/31〜1/3第1火曜日(1月・5月・12月は営業)、冬季休業 12/22〜1/4

住所は金沢市野町2-24-7、電話は076-282-7000です。第1火曜が定休なので、その日に行く予定なら組み替えてください。

妙立寺(忍者寺) — 電話予約が必須

にし茶屋街から歩ける範囲にある寺町寺院群の1つで、「広小路」バス停から徒歩3分。落とし穴や隠し階段の仕掛けで知られています。

拝観には必ず電話予約が必要です。(076-241-0888 / 受付8:30〜17:00)。当日でも空きがあれば入れますが、定員になり次第締め切られます。

にし茶屋街の散策30分に忍者寺の40分を足すと、この一帯だけで1時間半近くになります。「にし茶屋街は短いから」と軽く見ていると、時間の読みを外します。

にし茶屋街に隣接する寺町寺院群の本堂と木立

にし茶屋街そのものの概要はにし茶屋街のページにもまとめています。

ひがし茶屋街からにし茶屋街への行き方

ここがいちばん間違えやすいところです。

城下まち金沢周遊バスの右回りには、「広小路」バス停がありません。 右回りが停まるのは金沢駅東口・武蔵ヶ辻・瓢箪町・森山一丁目・橋場町・兼六園下・広坂・香林坊・南町の順で、にし茶屋街方面には行かないルートです。

一方、左回りは「広小路」を通りますが、順番が逆です。左回りは金沢駅東口→武蔵ヶ辻→南町→香林坊→片町→広小路→桜橋→本多町→広坂→兼六園下→橋場町→武蔵ヶ辻という順に回ります。つまり橋場町で左回りに乗ると、広小路は「もう通り過ぎた後」。乗ったままだとほぼ一周することになります。

現実的なのは香林坊での乗り換え

  1. ひがし茶屋街の「橋場町」から、周遊バス右回りに乗る
  2. 香林坊(旧日銀前)」で降りる
  3. 香林坊(アトリオ前)」から、周遊バス左回りに乗り換える
  4. 片町の次、「広小路」で降りる。にし茶屋街まで徒歩約3分

周遊バスは1周約45分・右回りは約15分間隔、左回りは約20分間隔で走っています。運賃は1乗車おとな220円・こども110円です。

この日に3つの茶屋街を回るなら、1日フリー乗車券(おとな800円・こども400円)を先に買ってください。 上の乗り換えだけで2回、往復すれば4回。220円×4回=880円なので、乗り換えを含めて4回乗る時点で元が取れます。ただし車内では売っていないので、金沢駅などの窓口かホテルで先に買う必要があります。

近江町市場に寄るなら、ふらっとバスも使える

にし茶屋街のすぐそばには、金沢市のコミュニティバス「金沢ふらっとバス長町ルート」の「にし茶屋街」バス停があります。資料館まで徒歩約2分と、周遊バスより近い。武蔵ヶ辻・近江町市場が発着なので、近江町市場で昼を食べてからにし茶屋街へという動線なら、こちらのほうが自然です。

長町ルートは長町武家屋敷跡も通るので、「にし茶屋街+長町武家屋敷」の組み合わせとも相性がいいです。

何個回る?時間別の組み立て方

1時間:ひがしだけ

観光協会の定番コースの目安がちょうど約60分です。街並みを歩いて、食べ歩きを少し。お茶屋見学まで入れるなら2時間見てください。

2時間:ひがし+主計町

浅野川を渡るだけなので、移動は徒歩5分・追加費用ゼロ。金沢市観光協会も、この2つを合わせた2時間のモデルコースを公開しています。時間あたりの満足度は、この組み合わせがいちばん高いと思います。手順は合わせて巡る1時間コースに書きました。

半日:三茶屋街ぜんぶ

観光協会の目安を単純に足すと、ひがし60分+主計町60分+にし30分=約2時間30分。ここに橋場町⇔広小路のバス移動と乗り換え待ちが加わります。周遊バスは1周約45分・15〜20分間隔なので、移動だけで往復1時間前後を見ておくのが安全です。合計で4時間前後、つまり半日の予定になります。

順番はひがし→主計町→(バス)→にしをおすすめします。理由は3つです。

忍者寺に入るなら、朝いちで電話予約を取ってから動き出してください。 ここだけは「行ってから決める」ができません。

よくある質問

3つ全部回ると何時間かかる?

見学時間だけで約2時間30分です。 金沢市観光協会が示す所要時間の目安が、ひがし約60分・主計町約60分・にし約30分。これに移動が加わります。ひがし⇔主計町は徒歩約5分ですが、ひがし⇔にしはバスの乗り換えが必要で、周遊バスは1周約45分・15〜20分間隔。待ち時間込みで4時間前後、半日と考えておくと無理がありません。

移動はバス?タクシー?

ひがしと主計町のあいだは徒歩です(約5分)。バスに乗る必要はありません。

ひがしとにしのあいだはバスです。 周遊バス右回りで橋場町→香林坊、左回りに乗り換えて香林坊→広小路。3回以上乗るなら1日フリー乗車券(800円)のほうが安くなります。近江町市場を経由するなら、100円のふらっとバス長町ルートという手もあります。

タクシーなら乗り換えは不要ですが、料金は距離と時間帯で変わるので、乗る前に確認してください。

にし茶屋街だけ行く価値はある?

「にし茶屋街だけ」はおすすめしません。 通りが短く、観光協会の目安も約30分です。ただし、西茶屋資料館(無料)・甘納豆かわむら・妙立寺の3つをまとめて回るなら、半日の行き先として十分に成立します。長町武家屋敷や21世紀美術館とつなぐ動線もつくりやすい場所です。

いちばん空いているのはどこ?

金沢市観光協会は、ひがし茶屋街を「金沢の風情を色濃く残す」代表的な観光スポットとして紹介しており、所要時間の目安も三茶屋街で最長です。にしと主計町は、観光協会の想定所要時間がひがしの半分以下(にしは約30分)。街の規模がそのまま人の多さに効くので、静かに歩きたいなら、にしか主計町ということになります。

なお主計町もにしも、いまも料亭やお茶屋が営業している生活の場です。大声を出さない、店の玄関先に長く立ち止まらない、といったところは気をつけてください。

芸妓の芸に触れられるのはどこ?

三茶屋街のいずれでもお茶屋が営業しています。 金沢おどり公式サイトの掲載では、ひがし4軒・主計町4軒・にし5軒。観光客が芸に触れる方法は芸妓・お茶屋文化の記事にまとめました。

駐車場はどこも近くにある?

にし茶屋街に駐車場はありません(金沢市観光協会の案内。付近に市営観光駐車場あり)。主計町にも街の中に駐車場はなく、浅野川の対岸=ひがし茶屋街側の駐車場を使うことになります。車で三茶屋街を回るのは、正直あまり向いていません。 ひがし側に停めて、にしへはバスで往復するのが現実的です。停め方は駐車場の記事にまとめています。

着物で3つ全部回れる?

歩けますが、時間の読みは厳しめに。 ひがし⇔主計町は徒歩5分なので問題ありませんが、にしまで行くとバスの乗り降りが2回加わります。返却時刻のあるレンタルなら、ひがし+主計町にとどめるほうが安全です。詳しくは着物レンタルの記事へ。


※料金・営業時間・所要時間の目安・保存地区の面積と選定年月日・バスの運賃と運行間隔は、2026年8月23日時点で以下の公的資料・公式サイトで確認したものです。訪問前に最新情報をご確認ください。

ひがし茶屋街の歩き方全体は完全ガイドから。街の成り立ちはひがし茶屋街の歴史、残り2つの茶屋街は主計町茶屋街にし茶屋街のページにまとめています。ひがし茶屋街のお店は店舗一覧、この先の催しはイベント一覧へ。

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