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観光 / 公開: 2026年8月25日

冬のひがし茶屋街|雪の日の服装と足元、空いている時期を数字で

雪をかぶった紅殻格子の茶屋街は、一年でいちばん金沢らしい風景です。ただし冬の金沢は、観光地としてはっきり「準備が要る」季節でもあります。東山のブックカフェ編集部の店から、数字で押さえておくべきところをまとめました。

先に結論を書くと、金沢の冬について多くの人が持っているイメージは、たぶん半分だけ当たっています

結論:金沢の冬は「毎日降る」が「深くは積もらない」

数字で見る金沢の冬

気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)です。

12月1月2月
平均気温6.8℃4.0℃4.2℃
日最高気温10.2℃7.1℃7.8℃
日最低気温3.5℃1.2℃1.0℃
雪日数14.5日22.7日19.9日
降雪の深さ 合計24cm67cm53cm
最深積雪11cm27cm22cm
降水量301.1mm256.0mm162.6mm
日照時間68.9時間62.3時間86.5時間

読みどころは3つあります。

1つめ。気温はそこまで下がりません。 1月の日最低気温の平年値は1.2℃で、氷点下が当たり前という土地ではない。ただし日最高気温も7.1℃しかなく、日中もずっと寒い。「朝だけ寒い」ではなく「一日じゅう寒い」タイプの寒さです。

2つめ。雪の日は多いのに、積雪は浅い。 1月は22.7日雪が降るのに、最深積雪の平年値は27cm。降っては溶け、降っては溶けを繰り返すのが金沢の冬の基本形です。だから雪景色を確実に狙って来るのは、実はかなり難しい。

3つめ。冬でいちばん降水量が多いのは12月です。 301.1mmは金沢の全12か月で最多。12月の金沢は、雪より雨が降る月だと思っておいてください。日照時間も冬の3か月は極端に短く、1月は62.3時間。1日あたり2時間ありません。晴れ間を前提にした予定は組まないほうがいいです。

ただし、年による差が大きい

平年値は「ならした数字」です。実際の冬は年ごとに大きく振れます。直近の2026年1月の実績を平年値と並べると、こうなります。

平年値(1月)2026年1月の実績
降雪の深さ 合計67cm152cm
最深積雪27cm64cm
雪日数22.7日26日
日照時間62.3時間46.4時間

2026年の1月は、平年の2倍以上降りました。「平年並みだろう」と決め打ちせず、出発前に予報を見てください。 逆に2026年2月は降雪合計40cmと平年(53cm)を下回っています。同じ冬の中でも月ごとに差が出ます。

冬は本当に空いている — 入館者数のデータ

「冬は空いている」はよく言われますが、ひがし茶屋街に限った数字で確かめられます。金沢市が毎年出している観光調査の報告書に、茶屋街の中心にある志摩の月別入館者数が載っています。

2025年(1年分)の数字です。

入館者数入館者数
1月4,526人(年間最少)7月6,939人
2月4,769人8月9,230人
3月9,214人9月8,651人
4月13,560人10月13,574人(年間最多)
5月11,735人11月13,173人
6月6,623人12月6,598人

1月は10月の約3分の1です。 2月も4,769人で、ほぼ変わりません。金沢市内の主要観光施設19施設の合計で見ても、2025年は1月450,626人・2月448,481人に対して、最多の4月は1,315,851人。街全体で3分の1という比率は同じです。

静かな茶屋街を歩きたい、写真に人を入れたくない、という目的なら1月と2月が最適解だとデータが言っています。ここは冬に来る最大の理由だと思います。

なお12月は6,598人と、1月・2月よりは多い。年末は思っているほど空いていませんので、静けさ目当てなら年明けを狙ってください。

服装と持ち物

平年値から逆算した実用的な線です。

着物レンタルを冬に使う場合は、羽織やショールでの防寒に対応している店を選び、草履で歩く時間を短く組んでください。雪や雨で足元が濡れると、着物での移動は一気につらくなります。

雪の日に知っておくこと

除雪は幹線道路とバス路線が優先される

金沢市の道路除雪計画では、市道の除雪対象は総延長932.5km。優先度は3段階に分かれています。

区分対象延長出動の目安
第1次路線幹線道路・バス路線449.4km概ね積雪10cmで委託業者が自主的に除雪
第2次路線地域の主要な道路418.3km概ね積雪10cm以上で、さらに降積雪が予想されるとき
第3次路線市街地道路64.7km概ね積雪30cm以上で、排雪とあわせて

石川県の管理する道路も同じ考え方で、重点除雪路線は新たな積雪5cm、その他の路線は10cmが出動基準です。

観光客として押さえるべき点は1つ。バスで橋場町まで来る道は、除雪の優先度がいちばん高い区分です。 一方で、金沢市は計画路線以外の生活道路について「住民の自助・共助による除雪」を求めています。茶屋街の中の細い通りまで除雪車が入る保証はないと考えておいてください。大雪の翌朝は、通りの端に雪が寄せられて歩ける幅が狭くなります。

大きな屋根の下は避ける

石川県は雪害への備えとして、屋根に積もった雪が一度に落下し、人が埋まる被害が起きていること、とくに神社仏閣など大きな屋根の下での落雪に注意するよう呼びかけています。ひがし茶屋街から歩ける宇多須神社や、卯辰山山麓の寺社を回るなら、軒下に長く立ち止まらないでください。

晴れた日のほうが危ないというのも県が指摘している点です。気温が上がると屋根の雪がゆるみます。雪が降った翌日に晴れたら、むしろ頭上に気をつけてください。

車で来るなら

冬の金沢はスタッドレスタイヤが前提です(石川県も雪道での立ち往生が交通に大きな支障を来すとして交換を呼びかけています)。加えて、ひがし茶屋街周辺の観光駐車場は積雪状況によって閉鎖されることがあります。雪の予報が出ている日は、出発前に金沢市観光公式サイトの告知を確認してください。停め方の詳細は駐車場の記事にまとめています。

正直なところ、冬に車で来るメリットは小さいです。アクセスの記事にあるとおり、橋場町までのバスは本数があり、その道は除雪の最優先区分です。

冬の楽しみ方

屋内の見どころを軸に組む

冬は「歩く時間」を短く、「屋内にいる時間」を長く設計するのが基本です。ひがし茶屋街で屋内に入れる定番は次の2つ。

志摩懐華樓
入館料大人500円 / 中学生以下300円一般750円 / 小・中・高校生500円
開館時間9:30〜17:30
冬期(12〜2月)は9:30〜17:00
10:00〜17:00
休み無休不定休

志摩は冬だけ閉館が30分早くなります。 冬は日没も早いので、夕方に着く予定なら見学を先に済ませてください。懐華樓は不定休なので、公式サイトの営業日カレンダーで確認してから向かうのが確実です。両館の違いは志摩と懐華樓の比較記事に詳しく書きました。

雪や雨で外に出づらい日は、金箔貼り体験のように最初から最後まで屋内で完結する体験が効きます。お土産の買い出しも屋内作業ですが、茶屋街の店はほぼ17時に閉まります。冬は暗くなるのが早く、体感で「まだ夕方」と思っているうちに閉店時刻になるので、買い物は先に片づけるのが安全です。

雪吊りを見るなら兼六園へ

雪吊りは金沢の冬そのものと言っていい風景です。兼六園では毎年11月1日に唐崎松を皮切りに作業が始まり、12月中旬頃まで続きます。見られるのは3月中旬までなので、冬に来れば確実に間に合います。

冬の兼六園は10月16日〜2月末日が8:00〜17:00(最終入園16:30)。入園料は大人320円・小人100円です。

さらに、兼六園を夜間無料開放してライトアップする「金沢城・兼六園四季物語〜冬の段〜」があります。次回は2027年2月6日(土)〜2月10日(水)、13日(土)、20日(土)、27日(土) の開催で、点灯は18:00〜20:45(閉園21:00)、入園無料です。ライトアップ準備のため17:00〜18:00は一時閉園するので、夕方に着くなら一度出る前提で動いてください。天候や園路の状況によっては中止になります。

ひがし茶屋街の「橋場町」から兼六園下・金沢城までは、城下まち金沢周遊バスや北陸鉄道の路線バスでつながっています。ひがし茶屋街を昼、兼六園のライトアップを夜という組み立てが、冬のいちばん素直な一日です。

静けさそのものを目的にする

さきほどの入館者数のとおり、1月と2月のひがし茶屋街は年間でいちばん人が少ない。同じ通りが、10月とはまったく違う顔をします。 三茶屋街をまとめて静かに歩くなら、主計町茶屋街は浅野川を渡って徒歩5分。冬でも移動距離が短く、合わせて巡るコースは冬向きです。

よくある質問

雪はいつ頃積もる?

1月と2月です。 気象庁の平年値では、最深積雪は12月11cm・1月27cm・2月22cm。雪日数も1月22.7日・2月19.9日と、この2か月に集中します。12月は雪日数14.5日・最深積雪11cmで、降水量では年間最多なのに、その多くは雨です。

ただし年による差が非常に大きい。2026年1月は最深積雪64cmで、平年の2倍以上でした。「1月なら必ず雪景色」でも「12月なら大丈夫」でもありません。

長靴は必要?

多くの日は不要です。 最深積雪の平年値は1月でも27cm、12月なら11cm。防水で滑りにくい靴があれば足ります。

必要になるのは大雪の予報が出ている日です。降雪の深さの日合計は、平年値でも1月は最大22cmまで見込まれています。予報で「まとまった雪」と出ていたら長靴を、そうでなければ歩きやすい防水靴を選んでください。どちらにせよ、滑りにくい靴底は必須です。

雪の日でもお店は開いてる?

志摩は無休、懐華樓は不定休です。志摩は冬期(12〜2月)だけ閉館が17:00に早まります。それ以外の個店については、大雪の日の営業を事前に確約できる情報はありません。雪の予報が強い日は、行きたい店の公式サイトやSNSを当日朝に確認してから出るのが確実です。 店の一覧は店舗一覧にまとめています。

冬に来るなら何月がいい?

静けさ優先なら1月か2月。 志摩の入館者数で1月4,526人・2月4,769人と、年間で最も少ない2か月です。雪景色に出会える確率もこの2か月が高い。

天候の安定を優先するなら、冬は避けたほうがいいというのが正直なところです。1月の日照時間は62.3時間で、1日あたり2時間ありません。晴天の街並みを撮りたいなら、別の季節をおすすめします。

冬は日が短い。何時までに着けばいい?

逆算の起点は17時です。 志摩は冬期17:00閉館、懐華樓も17:00まで、茶屋街の店の多くも17時前後に閉まります。つまり、見る・入る・買うは全部17時で終わると考えてください。

昼過ぎに着くなら、屋内の見学を先、街歩きと撮影を後に回すのが正しい順番です。逆に朝いちで着けるなら、人のいない雪の通りを撮れるのは午前中です。

兼六園のライトアップと同じ日に回れる?

回れます。 ひがし茶屋街での見学と買い物を17時までに終え、そこからバスで兼六園下へ移動すれば、18時の点灯に間に合います。ただし17:00〜18:00は準備のため一時閉園するので、早く着きすぎても入れません。この時間帯にどこかで暖を取る場所を1つ決めておくと、冬の待ち時間が楽になります。


※気温・降雪・積雪・日照時間の数値、施設の料金と開館時間、除雪の基準と延長、イベントの日程は、2026年8月25日時点で以下の公的資料・公式サイトで確認したものです。気象は平年値と実績、施設情報は変更されることがあるため、訪問前に最新情報をご確認ください。

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