読みもの 2026年9月2日

家淹れの始めかた——道具は3つでいい

コーヒーの知識淹れかた

家でコーヒーを淹れるのに必要な道具は、ドリッパー・はかり・お湯を細く注げるケトルの3つです。ミルを後回しにしていい理由と、金沢で豆を買う店の選びかたをまとめました。

家でコーヒーを淹れるのに、最初に必要な道具は3つです。ドリッパーとペーパーフィルター、キッチンばかり、お湯を細く注げるケトル。ミルは4番目でよく、最初のうちは豆を買う店で挽いてもらえば足ります。順番を間違えて道具を増やすと、味が安定しないまま出費だけがかさみます。

最初に買う3つと、その理由

1. ドリッパーとペーパーフィルター……円錐型でも台形型でもかまいません。大事なのは、買ったドリッパーの形に合う専用のペーパーを使うことです。形が合っていないと湯が横から抜けて、狙った濃さになりません。サーバーは手持ちのマグでも代用できます。

2. キッチンばかり(できれば0.1g単位)……家淹れがうまくいかない原因の大半は、豆と湯の量が毎回違うことです。目分量をやめて計るだけで、味は一気に安定します。1g単位のはかりでも十分始められます。

3. お湯を細く注げるケトル……いわゆる細口ポット。普通のやかんだと湯が一気に落ちて粉を掘ってしまい、抽出が偏ります。温度計付きの電気ケトルは便利ですが、必須ではありません。

この3つで、まず「毎回同じ味を出せる」状態をつくる。話はそこからです。

ミルを後回しにしていい理由

粉は挽いた瞬間から香りが飛び、酸化も早く進みます。だから理屈のうえでは、飲む直前に挽くのがいちばんおいしい。それでもミルを最初に買わなくていいのは、安価な手回しミルは挽き目のばらつきが大きく、かえって味が安定しないことがあるからです。粒が不揃いだと、細かい粉から出すぎた渋みと、粗い粉から出きらない薄さが同時に混ざります。

豆を売る店の多くは、その場で挽いてくれます。買うときに「ペーパードリップで」と伝えれば、それに合う挽き目にしてもらえます。まず店の挽き目で基準の味を覚えて、それから自分でミルを選ぶほうが、良し悪しの判断がつきます。

最初のレシピは、比率をひとつ覚えるだけ

分量は豆1に対して湯15〜16を目安にします。豆15gなら湯225〜240g。濃ければ豆を減らすのではなく湯を増やす、薄ければ湯を減らす。動かす数字をひとつに絞ると、原因がわかります。

湯温は、深煎りなら低め(85℃前後)、浅煎りなら高め(92℃前後)が扱いやすいとされます。沸騰した湯をカップに一度移すだけでも数度下がるので、温度計がなくても調整はできます。

手順はシンプルに。粉全体を湿らせる程度の湯を注いで30秒ほど待ち(蒸らし)、あとは中心から小さく円を描くように2〜3回に分けて注ぐ。全体で2分半〜3分半に収まれば、極端な失敗にはなりません。時間が短すぎれば薄く、長すぎれば渋くなります。

豆をどこで買うか——量り売りという選択肢

始めたてに向くのは、少量ずつ何種類か買える店です。粉の状態はもちろん、豆でも風味の変化は焼いてから2週間ほどで進みます。200gを一袋買って飲み切れないより、100gずつ2種類のほうが、飲み比べにもなって鮮度も保てます。

金沢で量り売りに対応する店としては、東出珈琲店がブレンド3種とストレート約17種を毎日焙煎して店頭で量り売りしています。品揃えの幅で選ぶなら橘珈琲店。世界各地の30種以上を豆ごとに焙煎を変えて焼き、袋詰めと量り売りの両方に対応しています。

豆売りが本業の店に相談したいなら、コーヒーマート63は常時20種類以上を揃え、遠赤外線焙煎機による毎日の少量焙煎を公式に掲げています。カフェインを控えたい事情があるなら、デカフェのブレンドに注力するリセッタブルー焙煎所という選択肢も。

店で伝えるとよいのは、産地名ではなく淹れかたと好みの方向です。「ペーパードリップで、すっきり系」「牛乳を入れて飲みたい」くらいで、候補はかなり絞れます。

保存は、常温・密閉・冷暗所から

買った豆は、密閉できる容器に入れて直射日光と高温を避けて置きます。コーヒーの劣化は酸素・光・熱・湿気で進むので、袋の口を留めるだけでも違います。

冷蔵・冷凍については意見が分かれます。低温で酸化が遅くなるという立場と、出し入れのたびに結露して湿気を吸うという立場の両方があり、どちらも一理あります。少なくとも、2週間ほどで飲み切る量しか買わないなら、常温で悩む必要はありません。

道具が3つ揃って、比率が決まって、鮮度のいい豆がある。おいしくならない理由は、そこまでくるとあまり残っていません。

※掲載時点の情報は各店ページをご覧ください。

掲載情報は執筆時点のものです。料金・開催日時は変更されることがあるため、 お出かけ前に各施設の公式情報をご確認ください。

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