焙煎度で変わるのは「苦さ」だけではありません。酸味・甘さ・香りがどう動くかの基礎知識と、金沢で浅煎り・深煎りを飲み比べられる店を紹介します。
コーヒーの味をいちばん大きく左右するのは、豆の産地よりもまず焙煎度です。同じ豆でも、浅く焼くか深く焼くかで別の飲み物のように変わります。
焙煎度で何が変わるか
焙煎とは、生豆(きまめ)を加熱して香りと味をつくる工程です。加熱が進むにつれて、味はおおむねこう動きます。
- 浅煎り……豆の持つ酸が残り、果実のような酸味と華やかな香りが前に出る。豆の個性(産地の違い)がわかりやすい
- 中煎り……酸味と苦味のバランス帯。甘さをいちばん感じやすいゾーンとも言われる
- 深煎り……酸が分解されて苦味とコクが主役になる。香ばしさ・重さが出て、ミルクに負けない
「酸味=酸化した嫌な味」ではありません。浅煎りの酸味は柑橘やベリーのような果実由来の明るい酸で、劣化した酸っぱさとは別物です。逆に、深煎りの苦味も焦げの苦さではなく、じっくり引き出したコクです。どちらが上ということはなく、好みの問題です。
自分の好みを知るいちばん早い方法
同じ店で焙煎度の違う豆を2種類買って、家で同じ淹れかたで飲むことです。店を替えると豆も淹れかたも変わってしまい、何の違いを飲んでいるのかわからなくなります。
金沢なら、浅煎りから深煎りまで幅広く焼くPessoa Coffee Roastersや、約20種を焙煎する東出珈琲店が、この「同じ店で2種類」に向いています。
浅煎り専門という選択
金沢には浅煎り専門を掲げる店もあります。ひがし茶屋街エリアのNonstop Coffee Stand & Roasteryは、メルボルンのカフェ出身の店主が浅煎りだけを焼くロースタリー。「コーヒーは苦いもの」というイメージが変わる一杯に出会えるはずです。
逆に、ネルドリップの金澤屋珈琲店のように一杯をじっくり淹れる店では、コクの世界を味わえます。焙煎度という物差しを持って店を選ぶと、金沢のコーヒーはぐっと立体的になります。
※各店の焙煎度のラインナップは時期により変わります。掲載時点の情報は各店ページをご覧ください。
掲載情報は執筆時点のものです。料金・開催日時は変更されることがあるため、 お出かけ前に各施設の公式情報をご確認ください。